確定申告時期を “嫌なもの” と思わないために。

群馬県安中市の「めがね橋」にあるトンネル

 先週の15日は、個人の確定申告期限でした。私が初めて税理士事務所に勤務したのは約10年ほど前ですが、その時から、毎年この時期は慌ただしくなります。

 同業の方からのお声がけも、この時期は切迫詰まった感があったり、順番で回ってくる確定申告会場での対応で接する納税者の方も、「資料が足りない!どうしよう。。」と慌てている感があったりと、
仕事自体は私としては好きな業務であっても、「確定申告」=「嫌なもの」と自然と思ってしまうシチュエーションがそろっています。

 ただ、自分で開業してから、特に今年については、確定申告時期は仕事がいつもより多い時期でありながらも、何とかやりようはあるんじゃないかな、と思えるようになりました。

 私自身の来年に向けての反省はありつつも、広い視野で見ると、毎年ある確定申告の嫌な印象を無くすために、下記2つが重要なことだと思います。

自分で申告出来そうな人は自分で申告をする

 確定申告は、本来、自分で収入等を集計して、申告・納付をする、という仕組みのものです。ただ、申告内容の集計が複雑なものは分かりにくい点が多々あるため、専門家の税理士に依頼して頂き、申告・納付をして頂くことが良いと思います。

 確定申告を今までしたことがない方でも、それほど複雑な内容ではなく、ご自身で申告ができるであろう内容は、下記のようなケースです。

*給与が2箇所以上あるため申告が必要なケース

*給与+年金があるため申告が必要なケース

*ふるさと納税により還付を受けるケース(寄付先が5自治体以内などで確定申告をしなくて良い場合は「ワンストップ特例」がオススメです。)

*医療費控除により還付を受けるケース

*住宅ローン控除初年度のため確定申告が必要なケース

 上記のようなケースは、それほど複雑な内容ではないため、国税庁が提供していいる「確定申告書作成コーナー」にて、収入の書類(源泉徴収票)や支払いの書類(寄付金受領書、医療費のお知らせ・医療費領収書など)を確認しながら、ご自身で申告で十分だと個人的には思います。
 もちろん、申告作業のなかで不明点があれば、税務署に確認するなり、税理士に単発で相談するなりして頂ければと思います。

 ご自身で申告される際に気をつけることの代表例は、収入は全て含めること(年金は申告して給与は申告しない、はNGです。)、
 配偶者控除や扶養控除をつける場合は、その方の所得(収入ではないので、宜しければ下記の「所得金額」動画をご参考ください。)をきちんと確認すること、です。

《ご参考:YouTube動画》
・【確定申告】「確定申告書作成コーナー」で電子申告(e-Tax)する方法~基本的な操作~

・“年末調整”や“確定申告”で使う「所得金額」って何?~年収と所得は金額が違います~

・【確定申告】「確定申告書作成コーナー」で “住宅ローン控除の初年度の確定申告” を電子申告(e-Tax)する方法

個人事業主の方は、適宜、会計を整えておく

 ご自身で事業をされている方は、日々の取引を記録しておく必要があるため、確定申告時期にまとめて、売上や経費を集計するのではなく、
日頃から、会計ソフト等を使って、記録をしておくことをオススメします。

 確定申告時期に慌てないためでもありますが、日々、売上や経費等の取引を記録しておくことで、どれくらい事業の利益を出せているか、今後の方針を決める材料にできるからです。

 仕事の依頼はかなり増えて売上は増やせているのに、思ったほど資金に余裕が出てこない、、、や、
複数の売上の種類があって、どの種類が利益を出せているのか、伸ばした方が良いのか分からない、、、といったことは、
日々の取引の記録により、実際の損益や資金増減の状況を確認することが出来るので、解決の糸口を見つけることが出来ます。 

 目の前の仕事をこなす、依頼を増やすことも大切ですが、自分の事業の状況を数字で確認することは、ご自身のやりたい事業を長く続けていくために、とても重要なことです。

 経理をやられたことが無い方でも、クラウド会計ソフトを適切に使うことで、日々の数字を確認できるようになります。
ただ、個々の科目設定や、データ連動の設定など、正しく処理されているかの確認は必要な場合がほとんどですので(クラウド会計ソフトにて、適切な科目で処理されておらず、利益金額が誤ったものになってしまっているケースがよくあります。)、
入力内容のチェックは税理士に依頼をすることをオススメします。

 なお、当事務所では、税務顧問にてチェック業務+申告書作成を行っておりますので、宜しければメニュー詳細ページをご覧下さい。
 また、「この取引の科目を教えて欲しい」や「基本的な仕訳方法が知りたい」など、会計のチェックではなく、ピンポイントのご質問であれば、スポット相談にて承っております。こちらも宜しければメニュー詳細ぺージをご覧下さい。

まとめ

 確定申告の時期は、納税者の方からの「毎年この時期は、申告が終わるまで憂鬱な気持ちになる。」という声だったり、同業の方からの「忙しくて余裕がない」という声だったり、、をよく聞きます。

 決まった時期のことであっても、毎年必ずあることなので、世の中的に何とか改善していけば良いのになぁと思います。

 「スマホで申告」といった便利な仕組みがCMで流れていましたが、
各々が、実際にそれを使いこなせるようになったり、準備を早めに整えておく意識が無いと、
どんなに便利な仕組みが出来ても(便利に使いこなせる状況になるまで時間がかかるケースもあります。)、
確定申告=「嫌なもの」というイメージは無くならないと思いました。

 私個人としては、自分自身で調整できるという状況の強みを生かして、来年以降の改善に繋げていこうと思います。

本日のブログ写真

 先日、群馬県安中市にある、めがね橋に行きました。

 

 その橋を上った先にあったのが、このブログのトップ写真のトンネルで、照明はあるものの、先がなかなか見えない長いトンネルで、何だか探検をしているような気持ちを味わえました。

 出口が見えず閉じ込められたような怖さもありつつ、どこまで続くのか、出口はどうなっているんだろうという「ワクワク」もありつつ、トンネルの内側の、一つずつ積み上げられたレンガで出来ている地道さも感じました。

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