会計・申告ソフトがあれば税理士はいらない?
開業してからずっと、クラウド会計を使っています。正確に言うと、クラウド会計で入力をされているお客様のご依頼を受けています。
この2つのクラウド会計に限らずだと思いますが、以前と比べると、経理の知識が無くても入力ができるような仕組みになってきています。実際、経理の経験や簿記の知識が無い方も多々いらっしゃいます。
この、経理の経験や簿記の知識が無くても「入力ができる」という意味について、ソフト会社の宣伝の仕方からなのか、過大認識してしまうケースがあるようです。
「使える」と、「適切な処理をする」は、特に会計や税務申告では “大きな違い” になってしまうことが、しばしば起こります。
連携したデータの登録は全て終わったが、登録内容は合っている?
クラウド会計の場合、ネットバンキングや、クレジットカードのデータを連動することができますので、通帳や取引明細に記載されるような「日付、金額、振込名」がそのまま会計データに連携されます。
その連携された内容に、取引先名や取引内容を追加して、予測で出て来た科目(売上、仕入、消耗品費など)と実際の内容が異なれば科目名を変更をして、仕訳登録を行う、という流れです。
連携データが無いような、現金でのやり取りは、直接仕訳を登録するか、エクセルで管理のうえ会計ソフトに読み込みさせるか、、という対応が必要ですが、データを連携することさえ出来れば、「日付、金額、振込名」は正確な内容を仕訳に反映することができます。
ただ、「データ連携できる=常に正しい仕訳になる」ということではないので、注意が必要です。
*連携データを全て登録したが、科目が間違っていた。
*預金間の資金移動の登録を連携データから行ったところ、二重登録になってしまった。
*請求書からの連動機能を使って仕訳を登録したが、実際の入金の際の科目を誤ってしまい売上が二重になってしまった。(or 請求書と入金の紐付けが正しく行われていなかったので、売上金額が実際と異なってしまった。)
*クレジットカード決済時の登録の科目が誤っていた。また、データ連携したクレジットカードの科目登録の仕組みの認識が誤っていた。
*決済口座を誤って登録したために、現金がマイナスになってしまった。
・・・というようなことが起こります。
これらの間違いは、基本的に、利益金額に影響がありますし、つまり、支払う税額にも影響してしまいます。数百円や数千円程度の誤りであれば、それほど影響は出ないかもしれませんが、金額がある程度のものだったり、間違えた方法を気づかずに何年も続けてしまうと、その間違えた期間に比例して、銀行に提出する決算書の数字や毎年支払う税金の金額への影響度合いは増えてしまいます。
データを全てあてにするリスク
少し前に、とあるクラウド会計のクレジットカードデータの連動仕訳の確認をした時のことです。Aというクレジットカードのデータは、決済の取消処理がクラウド会計では反映がされておらず、取消し前の金額(未払)が残ったままになっていました。
一方、Bというクレジットカードのデータは、決済の取消処理があった際、もともとの利用日の処理が取消し(マイナス)データになっていたうえに、取消日のデータもさらに1つ追加されていたので、取消しデータが二重になっていました。
連動しているはずなのにおかしいと思い、クラウド会計のQ&Aを見ると、「使用上、クレジットカードによっては明細が正しく反映されない可能性があるので、ご自身で確認のうえ対応してください。」というような内容の記載がありました。
こちらは一つの例ですが、システム会社としては、連携などの機能は整えるけれども、それが合っているかどうかの確認は自身で行ってください、というのが基本的なスタンスです。(便利な機能が多々ありますが、システムで対応するには、限界はあるのかもしれません。)
会計データだけでなく、申告システムでも連動の機能があるソフトはありますが、連動のタイミングや設定によっては、はちゃめちゃな金額や内容になってしまっていることもしばしば見かけます。
「こんな間違いが起きてしまうようなシステム会社が悪い!」ということを言いたいのではなく、連携機能やOCR機能は、便利ですし効率化のために取り入れつつも、システムで対応している = 絶対に間違いはない、ということはないので、その数値が正しいかどうかの確認は大切です。
利益や税金の計算が間違ってしまったり、万が一の税務調査で指摘された場合などに、「連携システムが間違っていた」という理由だったとしても、『では、システム会社に責任を取ってもらいましょう!』とは当然ながら出来ません。
あくまで、システムは会計や申告の処理を行うための「手段」であって、適切な処理にするには、最終的には人の確認が大事だということを改めて感じる出来事でした。
本日のブログ写真
先月の上旬に、金沢にある兼六園に行ってきました。金沢の紅葉の時期は、例年11月上旬から中旬という情報があったので、第2週に予約をしたところ、今年は紅葉の時期がかなり遅かったので、写真のようにまだほとんど紅葉はしていませんでした。
兼六園自体は、かなり小さい時と、大学生の時に行ったことがあり、今回が3度目でした。小さい頃は記憶が無いので、大学生の時に行った記憶はあるのですが、こんなにも素晴らしい日本庭園が広がっているとは、、と、歩くたびに少しずつ変わっていく庭園の景色を見ながら、ひたすら感動していました。
他にも、兼六園のすぐ隣にある金沢城公園を越えてすぐのところに、『尾山神社』という、ステンドグラスで出来た門の神社があったり、
尾山神社から金沢城公園沿いに、徒歩10分ほど歩いたところに『近江町市場』という、海鮮や野菜の市場や、飲食店が集まっている市場があったり、
(金沢カレーを食べました!)
少し離れますが、ひがし茶屋街という雰囲気がある町並みがあったりと、
見所の多い観光名所が、わりと近いエリアに集まっていて(兼六園や金沢城公園が広大なので、徒歩移動だとかなり歩きますが。)、もっと、じっくりゆっくり見たいなぁと思うような素敵な場所でした。