税制は分かりにくい表現が多い。それを「どれだけ分かりやすく伝えられるか」という税理士の役割。

嬬恋村にある「KAFE」というお店でのランチ

 先日、1年ほど前から一般社団法人 長野県法人会連合会様から定期的にご依頼頂いている、研修動画の収録で講師をさせて頂きました。法人会連合会様の方で、テキストを毎年作成されていて、そのテキストに沿ってお話しをしております。

 研修動画は、毎回3つほど異なる内容それぞれ10分程度のもので(法人会連合会様のYouTubeにアップされています。)、毎年いまの時期は「税制改正」も含まれています。

 税制改正の内容に限らず、全ての税制に言えることではありますが、「税制はとにかく分かりにくい表現が多い。」ということを、今回の研修動画を準備する中で改めて感じました。

 例えば、今回の改正で一部条件が追加された『中小企業投資促進税制』という期間限定の制度があります。中小企業や個人事業主が、制度に該当する資産を取得した場合、要件を一通り満たせば、下記2つのどちらかの優遇を受けられる制度です。

*通常決められた減価償却費に、プラスして「取得価額×30%」の減価償却費を上乗せできる。
(初年度の減価償却費は多くなりますが、2年目以降を含めたトータルの減価償却費の合計金額は変わりません。)

*資産の取得金額×7%を、法人税or所得税から差し引くことが出来る。
(差し引く前の法人税額×20%が上限であり、法人の場合は資本金が3000万円以下などに限定されるなど、要件があります。)

 この『中小企業投資促進税制』の対象資産について、令和5年度税制改正にて一部改正がありましたので、法律の文章をそのまま載せてみます。
※どのような仕組みかイメージが伝われば良いなと思っただけなので、流し読みで良いです!

~対象となる資産について~

機械及び装置(その管理のおおむね全部を他の者に委託するものであることその他の政令で定める要件に該当するものを除く。)租税特別措置法:第四十二条の六より

↓↓↓

政令で定める要件 租税特別措置法施行令:第二十七条の六より
一 その管理のおおむね全部を他の者に委託するものであること。

二 要する人件費が少額なサービス業として財務省令で定める事業(法第四十二条の六第一項に規定する中小企業者等の主要な事業であるものを除く。)の用に供するものであること。

↓↓↓

財務省令で定める事業 租税特別措置法施行規則:第二十条の三より
洗濯機、乾燥機その他の洗濯に必要な設備(共同洗濯設備として病院、寄宿舎その他の施設内に設置されているものを除く。)を設け、これを公衆に利用させる事業とする。

 このように、メインの法律文から、詳細の2つの法律をたどらないと、対象資産から除かれるものが具体的に何か、分からない仕組みになっています。ちなみに、国税庁に出ていた改正内容の文章は、カッコ書きを使った下記のような表現でした。(一部省略しています。)

1台又は1基の取得価額が160万円以上の機械装置(コインランドリー業(中小企業者等の主要な事業であるものを除く。)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除く。)

 国税庁の文章でさえ、カッコ書きが多く、また、「除く」という否定の表現がちらほら使われていて、一度読むだけでは理解出来ない方がほとんどではないかと思います。

 このカッコ書きの内容をざっくり説明すると、、、

・コインランドリー業の管理を、他者にほぼ委託している法人or個人事業主は、この優遇税制は使えない。

・ただ、コインランドリー業がメインの場合は、他者に管理をほぼ委託していてもこの優遇税制は使える。

ということです。

 税制改正の内容だけではなく、税金の法律全般に言えることで、あらゆる可能性を網羅するために、一度読んだだけではなかなか理解出来ない文章になっていることが多いです。

 ですので、普段接する「税法の表現に慣れる」ことは、「税法を理解しやい力がつく。」という良い面もありながら、「理解しにくい表現に慣れる」ことで「理解しにくい表現を普段から使ってしまう。」という悪い面が気づかぬうちに出てしまう可能性があります。

 「なかなか理解できない税法」と「実際の現場での処理はどうすれば良いのか」のスムーズな橋渡し役というのも、税理士の大切な仕事の一つだと感じました。

本日のブログ写真

 先日、嬬恋村にあるKAFEというお店でお昼を食べました。土日は、写真のようなランチプレートがあり、現地で採れた野菜を沢山使った6種のおかずとデザート、あとは嬬恋村のキャベツを使ったお味噌汁(これが、キャベツが一度焼いてあって、キャベツの甘みが十分に出ていてとても美味しかったです!)と麦ご飯で、身体に優しく、そして味もとても美味しかったです。

 席数はそれほど多くなく、写真の背景のように、テラス席で目の前に池と緑が広がっている景色を見ながら、鳥のさえずりを聞きながら、優雅なランチタイムになりました。

 学生時代は、とにかく都会に出たいという気持ちばかりで、自分の生まれ育った長野県の良さを正直あまり感じていませんでした。ただ、30代になってからは特に、自然の良さや野菜の美味しさ、あとは最近になって「確かに!」と気づいた『星のきれいさ』に、素直に良いところだなぁと思うことが増えました。

 こちらのお店「KAFE」は、お気に入りの場所の一つになりました。

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