税理士の仕事が嫌になる人がいるのはなぜ?
同業者からたまに、「税理士の仕事が嫌だ」「早く引退したい」といった声を聞くことがあります。
税理士の平均年齢は60歳以上と言われていますが、それより若い世代であってもです。
税理士の仕事は法律で決められた期限があり、また、神経を使う仕事なので、
「もう嫌だ」と思ってしまう気持ちも分からなくはないのですが、
以前のブログ:上手くいくまで気持ちを持ち続ける方法は?でも書いたように、
私自身は、大前提として税理士の業務が好きなので、
好きな仕事を、今後何十年と続けたい気持ちがあります。
(高齢になって、仕事に支障が出てしまうようなことになる前まで続けたい!)
ですので今回は、私個人の考えではありますが、
“税理士の仕事が嫌になってしまう原因” を整理し、
そうならないよう改めて意識するきっかけにしようと思います。
仕事量を増やしすぎている
まず1つは、「仕事量が多すぎる」につきるのではないでしょうか。
「嫌だ」と愚痴を言われている方の話しを思い出してみると、
仕事が終わらず、夜遅く+土日も仕事をしている方が多い印象です。
税理士業に限らずですが、いくら好きな仕事であっても、
あまりに長時間働いていると、もって2,3年で、嫌になってしまうのではないでしょうか。
そういえば、勤務していた頃に「なんのために頑張って働いているんだろう」と思ったのも、
残業や休日出勤が多い時期でした。(^^;
税理士の仕事でいうと、
- 年末調整がある12月
- 法定調書や償却資産税、給与支払報告書の提出期限がある1月
- 年が明けて3/15までの “個人の確定申告” の時期
- 法人は3月決算が多いので申告月の5月まで
という年間スケジュールがあるので、
12月から5月までの約半年間、ずっと忙しい時期になってしまいがちです。
「税理士さんって、何だかいつも忙しそうで。。」と聞くのも、
このような期限がある仕事を、沢山抱えていることが多いからだと思います。
私も勤務していた頃は、この約半年間の忙しい時期を、
何とか仕事をこなせるよう、自分なりに工夫して頑張っていました。
ただ、独立してからは、工夫の仕方が変わりました。
- 無理に仕事を受けない
⇒相手の要望に応えられなさそうな仕事はお断りをする。 - 料金設定をきちんとする
- 気が乗らないお付き合いはしない
というのが主な変化です。
税理士業の中でも「税務顧問」というサービスは、
基本的に長期的な契約になるため、また、ある程度「人」が時間をかけてするサービスですので、
何でもお受けするとなると、従業員を雇って人手を増やす、という方法をとるしかなくなります。
ただ、現在の私の気持ちとしては、
私自身が、お客様と直接接して税理士のサービスを提供したいという思いが強いです。
従業員の方を雇うと、管理者としての役割が増えるため、そのやりたい事が出来なくなります。
また、従業員を雇用し、規模を拡大した結果、
今までの既存のお客様へのサービスの質が下がる、ということも避けたいです。
ですので、当事務所の方針にも掲げている「長期的に堅実に経営を続けるための “経営サポート” を行う」ということを、今後何十年と長く続けるためには、
「日々の仕事を嫌にならない」ことが大事で、そのためには、
むやみに『仕事量を増やしすぎない』ことが、私にとって大切なポイントだと思っています。
不満を持っているのに受け続けている仕事がある
先ほども挙げた税理士の「税務顧問」というサービスは、
基本的に長期契約ですので、例え、仕事内容にミスマッチが起きてしまっていても、
なかなかお互いに歩み寄る、ということが難しいことが多いようです。
私は、同業の方の不満を聞くこともありますし、
税理士変更により依頼があった場合は、お客様側から、前の税理士への不満を聞くこともありますが、
お客様側から聞く不満で多いのは、
「連絡がなかなか返ってこない。」
「報酬を払っているのに〇〇をしてくれない。」
という2つです。
税理士業に関わらず「連絡をきちんと返す」ということは、
仕事をするうえで当たり前のことだと思っていたので、
連絡をなかなか返さない税理士がいるということは驚きでした。
このような不満が生じてしまう原因を、税理士側で考えてみると、
「連絡がなかなか返ってこない。」については、先ほどの「仕事量を増やしすぎている」ことも原因の1つかとは思います。(そうは言っても、連絡がなかなか取れない税理士というのは、どうでしょう。。。)
また、「報酬を払っているのに〇〇をしてくれない。」は、
仕事の依頼を受けたいがために、最初の料金設定を低くし過ぎて、
「料金は低く設定しているのだから、この程度の業務で良いや。」と思ってしまっている可能性はあるのでは、と感じることはあります。
このような不満を持ちながら仕事をしていては、
日々の仕事に嫌気がさしてしまうのは自然なことかと思います。(これも私個人の印象ですが。)
私自身も、仕事の依頼があったときに、
「これは不満を持ってしまいそうだな。」と思うことがあります。
そういったときは、まず、「自分の要望を伝える」ということが大切で、
対応できないということであれば、「断る」ということも大事なことですよね。
これらを伝えないまま、お互いが不満を持ち続けるのが一番よくないことです。
新しく税理士を探す方、今の税理士に不満を持たれている方は、
- どんな要望があるのか整理をする
- その要望に応えられそうな税理士を探す
or 今の税理士に要望を伝えて、歩み寄ってもらえるか相談する
という方法で進めて頂くのが良いかと思います。
誰でも良いでお願いをしてしまうと、ただでさえ煩雑な会計・税金の話しが、
さらにストレスになってしまう可能性もありますので、きちんと探して頂くことをオススメします。
(ちなみに少し話しは逸れますが、
個人事業主の方は年明け以降は特に、
繁忙期により、確定申告の依頼を受けられない税理士事務所が多いので、
早めに探して頂いた方が良いでしょう。)
本日のブログ写真
先日、夫の友人家族と、秩父に旅行に行きました。
ブログの冒頭の写真は、宝登山という山のロープウェイを登った先にあった、
神社から撮った景色です。
長瀞ライン下りも初めて体験しました。
直近、雨が少なかったということで、水量はいつもより少ないとのことでした。
長瀞ライン下りからすぐ近くの「もみじ公園」にも行きました。
今年は紅葉が遅かったので、11月終わりでも紅葉の景色が楽しめました。