お客様にとっての “ひとり税理士” の良さ

新潟県の「寺泊魚の市場通り(魚のアメ横)」で見つけたソフトクリームフロート

 前回のブログでも紹介しましたが、今月初旬に新潟にライブ兼旅行に行きまして、その帰りに「魚のアメ横」と呼ばれる寺泊という市場に行きました。市場でありながら屋台のようにお店が並んでいて、海鮮の串焼きや、写真のようなソフトクリームフロートも売っていました。

 不思議なもので、同じような商品が売っている「串焼き店」や「ソフトクリーム店」であっても、お店の雰囲気や商品のちょっとした違いで、人が集まるorあまり集まらないの差が出ていたのが印象的でした。かくいう私も、ソフトクリームフロートのお店が2,3店舗あったのですが、この写真のソフトクリームフロートが凄く美味しそうで、思わず買ってしまいました。(水色の部分がゼリー状のもので、味も美味しかったです。)

 購入する前に、買う側にとっての「良さ」がどれだけ伝わるかが、この人が集まるor集まらないの差に繋がっているんだろうと思いました。

 税理士業の場合、合う合わないがあるので単純に「人が集まれば良い。」ということでは無いですが、ひとり税理士である当事務所について、買う側(お客様側)にとっての「良さ」はどういったものか、今回、整理してみました

*私が一人で独立しようと思った最初のきっかけの井ノ上陽一さんがおっしゃっている、「ひとり税理士」という言葉を使わせて頂いてます。

担当者が変わらないこと

 これは、私が独立を決めた理由の一つでもあります。

 税理士を目指す前に遡りますが、私が大学卒業してすぐに入社した証券会社の営業職では、大体3年ごと異動があり、そのため、同じお客様の担当は長くて5年、短ければ2年弱で変わってしまう、ということが通常でした。

 私自身は、仕事内容が自分にかなり合わず、1年と少しで辞めてしまったのですが、約3年くらいでお客様の担当が代わってしまう、という仕事の受け方についても、私には合っていないと感じました。

 担当させて頂くなら、短期的な関係ではなく、お客様が良い方向に向かえるように、何十年と関わり続けられる仕事がしたい、という気持ちがありました。そう思った理由の一つは、「前買ったことのある証券会社の担当の人は、良いことだけ言って買わされて、その後、損をして大変な時にはもう異動してしまっていた。」という話しを数人から聞いたことがあったからです。(そうではない方も沢山いらっしゃると思いますが。)

 その後、税理士を目指すようになり、税理士事務所や税理士法人で中小企業や個人事業主のお客様を担当して日々仕事をする中で、お客様に対して、「長期的に良くなって欲しい。お客様の向かいたい方向に進んでいって欲しい。」という気持ちが強くなったことから、良い時も悪いときもある何十年という時間を、応援し続ける仕事が出来たらと思うようになりました。

 お客様にとって、そもそも、会社の内部の数字を見せること自体、短期的な関係性しか持てないような人には見せたくないと思いますし、ご自身の事業をされているということは、何十年とご自身の事業を続けたいという気持ちでされている方がほとんどだと思います。ですので、今後の長い期間、しっかりと責任をもって会社のことを理解、サポートをする人が一人いた方が良い、と思われる方は、 “ひとり税理士” に依頼して頂くのが良いと思います。

話が早いこと

 これは、大人数の組織との大きな違いで、何か物事を決める際に、「社内で確認してから」とか「上司に確認してから」ということが無い事が特徴です。

 もちろん、大人数で協力して進める方がチームの良さを発揮できる場合も多いと思いますが、私の普段の業務ですと、「こうしたい場合はどうすれば良いですか?」という話しがほとんどですので、すぐにお答えできることであればお答えし、すぐに答えられないことであればその旨お伝えし、大体2・3日中にはお調べしてお答えしています。 

 組織で対応する際に対応が遅くなってしまう原因として、

*打ち合わせに時間はかけているが、なかなか話しが進まない、まとまらない。

*社内のコミュニケーションが上手く取れていない、そもそも打ち合わせのスケジュールを合わせるのに時間がかかってしまう。

という場合も中にはあると思います。

 そういった状況ですと、お客様側からすると「対応が遅いなぁ。」と思われてしまうことも十分あり得ますし、実際に、前の税理士事務所から変わって頂いたお客様から、私としては普通の対応であっても、「対応が早い。」と言って頂けたこともあります。

 逆に、私がサービスを使う際に、「社内で確認をしてみないと。。。」ということで、1対1の打ち合わせでもなかなか話しが進まないことがもどかしく思ったこともあります。

 ですので、『話しが早い』というのは、 “ひとり税理士” のサービスを利用する際の良い点だと思いました。(対応が遅い税理士は除きますが。(^_^;))

複数人担当はないこと

 税理士に限らずですが、何か対応をお願いするときに、Aの対応はこの担当者で、Bの対応は別の担当者から連絡します、といったように、それぞれ別の担当者や窓口を案内されたことはないでしょうか。

 案内された後、別の担当者には今まで説明した状況が共有されておらず、同じ会社であるはずなのに、もう一度全く同じ説明をした、というシチュエーションを味わったことのある方も多いはずです。

 今年の2月下旬に、税理士会から依頼された、当番制の確定申告に関するコールセンター業務があったのですが、このコールセンターの仕組みは、まず、ガイダンスが流れて、「一般的な税金の質問」「e-Taxの操作方法の質問」「税理士に聞いた方が良い質問」の3つのどれかを選び、「税理士に聞いた方が良い質問」だった場合に、我々の方で対応する、という流れのものでした。

 「確定申告の質問」と一言で言っても、例えば、e-Taxに入力する箇所や内容の質問だったりすると、e-Taxの操作方法だけ分かっている担当者では、具体的にどういった内容を入力すれば良いのか答えられないですし、我々の方には操作方法であれば、操作方法の担当者に回してもらえれば良い、と説明があったものの(簡単な操作方法であれば答えてもらっても、ということでしたが。)、普段、市販の税務ソフトを使っていて、e-Taxを全く使ったことが無い方だと、対応も難しかったのでは、と思いました。

 実際に、「操作方法」を選んだものの、e-Taxでの税金に関する説明書きの意味が分からず、操作方法の担当者と、税理士側と、行ったり来たりになってしまった方もいたようで、複数でそれぞれの担当をする、ということは会社側の事情からすると効率的に見えても、お客様側からしたら、不便と感じてしまう可能性は高いと思いました。

 “ひとり税理士”であれば、0から100まで全て1人で対応するので、会計や税金のことで何か問い合わせをしたい時に、その一人に聞けば解決する、という良さがあります。

おわりに

 業種によって、組織やチームで対応した方が良いものも世の中には沢山ありますが、中小企業や個人事業主がお客様である税理士の場合は、 “一人対応の良さ” を感じることが十分あると思います。

 その方自身に合う税理士を選んで頂くのが一番良いので、誰に対しても “ひとり税理士” が良いという訳ではありませんが、もし、「数字のことで相談を出来る人がいない。」という方や、「以前からお願いしている税理士がいるものの、不満がかなりある。」という方がいらっしゃいましたら、是非、ご自身に合った税理士を見つけて頂きたいと思います。

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